組織学的検査において信頼性を得る基本的条件は、薄切切片の優れた表現性および高分解能です。 このことから今日、組織標本に対する樹脂による包埋がますます重要になっております。 確実にかつ正確な検査を行うなめの主たる条件は、出きる限り処理温度を低くすることです。 さらに樹脂を用いることにより包埋および薄切が容易に行うことが出来、また低コストで信頼性の高い結果が得られることです。
ヘレウス・クルツァー社が著名な科学者及び研究所と共同で開発したヒストテックシステムは医学、獣医学、植物学において、素晴らしく良好な結果が得られております。 本システムは包埋の際に発生する重合温度の低温処理、0.5ミクロンの薄切切片の作成、良好な伸展及び染色反応など、すべての必要条件を満たしております。 新しく開発された、低温重合樹脂、テクノビット8100は、ヒドロキシメタックリレート(HEMA)を主成分としており、免疫組織学的検査を行うことが出来ます。 このように、ヒストテックシステムにより、組織切片検査における科学的及び経済的諸条件はかなり向上しました。
「主な特長」
テクノビット7100、8100を使用すれば迅速で、かつ再現性の高い包埋が可能。
テクノビット8100は、免疫組織学的検査が行えます。
酵素組織化学的検査が行えます。
非常に経済的です。
専用特殊テフロン包埋モールドの使用により、重合温度を更に低くすることが可能。
ヒストフォームSは、ナイフを保護する形状を呈しております。
特殊な試料台への標本の固定が簡単です。
新しいディスポーザブルミクロトームナイフにより、ロータリー式ミクロトーム上での軟組織及び硬組織の薄切が安全で安価に行うことが出来ます。
伸展性が良好です。
テクノビット樹脂は、弾性があるため、あらゆる種類の組織から優れた薄切標本を作成することが出来ます。
一般染色の他、酵素組織化学及び免疫組織化学染色も簡単にかつ優れた標本が得られます。
#03-1001 包埋樹脂テクノビット7100セット \37,000.-
包埋樹脂テクノビット7100の構成 主剤: 500ml 硬化剤(1): 1gx5袋 硬化剤(2): 40ml |
Technovit7100は、医学・生物学分野における軟組織試料の包埋、及び薄切切片作成を容易にするために開発された新しい樹脂です。 包埋の際、組織試料に与える熱影響を軽減するため、放熱性の良い特殊包埋型も同時に開発され、組み合わせ使用により最高の包埋結果が得られます。
包埋性 室温22〜23℃の時、約120分の短時間に低温で重合硬化します。
重合温度:35°〜38℃(ヒストフォームS使用) 40°〜45℃(ヒストフォームQ使用)カッティング性 1ミクロンの切片が容易に得られ、連続切片作成可能です。
染色性 脱樹脂することなく、一般染色、酵素組織化学染色、免疫組織化学染色等が、敏速・確実に実地でき、非常に鮮明な染色標本が得られます。
安全性 Technovit7100はHydroxyethylmethacrylateベースの樹脂で、皮膚にマイルドです。 付着した場合は石鹸等で充分洗い落としてください。
その他 溶液混合は、液とパウダーで容易かつ安全に混合できます。 個々の保存は直射日光を絶対に避け、冷暗所で行ってください。 それぞれ1年間保存可能です。
(テクノビット7100の取り扱い方法)
組織を2−ヒドロキシエチルメタクリレート(GMA)で包埋するための新しい重合システムについてーバルビツール酸誘導体塩化物イオンおよび過酸化ベンゾイルとの組み合わせによりGMAの重合が始まります。 この触媒システムには芳香族アミンが含まれておらず、この事は化酸化物/アミンに基づいた既存の触媒系と比較して、かなり特長があると言えます。 本システムにより、1〜2ミクロンの切片の作成を容易にする透明な樹脂ブロックが得られます。
固定: カーノブスキー(1965)の方法に従ってパラホルムアルデヒドから調製した4%中和ホルムアルデヒドに浸漬または灌流により組織切片を固定します。
脱水: 70%エタノール、室温で2時間 − 96%エタノール、室温で2時間 − 100%エタノール、室温で1時間。
予備浸漬: 100%エタノール/テクノビット7100等量、室温で2時間。
浸漬液: テクノビット7100、組織の大きさ及び構造に応じて、24時間以内。
包埋処理液の成分: A.浸漬液 ○テクノビット7100(補触媒XCLを含有するHEMA)100g○硬化剤T(過酸化ベンゾイル、水分含有率20%)1g B.包埋液 ○浸漬液A 15ml○硬化剤U(硬化促進剤として、バルビツール誘導体を含有) 1ml これらの溶液は1分間充分に攪拌する事。 浸漬後、包埋モールド(ヒストフォーム)に1個当たり約1mlの包埋液Bを入れ、この中に標本組織を置く。
重合: 室温(23℃)で1時間、その後さらに37℃で1時間。
ヒストブロックの固定: 包埋液が重合硬化したらヒストブロックをヒストフォームの上にセットします。 次に固定樹脂テクノビット3040を2:1ないしは3:1の割合(体積比)で、粉末と液体を混合してヒストブロック内に流し込みます。 室温(23℃)で5〜10分で硬化し包埋標本はヒストブロックに硬く接着固定されますので、容易に標本を1〜2ミクロンの厚さに薄切することができます。
切片の作成: 室温にてカッティングした切片を蒸留水中で伸展させ、解剖針またはブラシにより切片をスライドガラスにのせます。 伸展した切片は、染色する前に60℃で約15分間乾燥させてください。 脱樹脂せずとも組織化学染色および組織学的染色がおこなえます。
以上の説明方法に従ってテクノビット7100を使用すれば、GMA-ベンゾイルペルオキシド/芳香族アミンシステムと比較して、次のような利点があります。
テクノビット樹脂の方が、明らかに毒性が低い。
透明のままで変色することなく、均一の硬さの標本ブロックを作成できます。
本重合システムの方が、空気中酸素による抑制の影響を受けにくい上、パラフィンで密封する必要がありません。
硬化重合中の温度が40℃を越えることはありません。
染色時間が短い。
Kidney (Mouse)
Silver impregnation acc. to MovatHuman retina
Methylene blue-fuchsineEmbryo (Mouse) day 15
Mallory acc. to RichardsonStriated muscle
Silver impregnation acc. to MovatLung
MZSkin (finger tip)
HEIntestine
PAS/Fast GreenKidney
Alkaline phosphatase(evideence a. Burstone)
#03-1002 包埋樹脂テクノビット8100セット \42,000.-
包埋樹脂テクノビット8100の構成 主剤: 500ml 硬化剤(1): 5x0.6g 硬化剤(2): 30ml カバーフォイル: 500枚 |
テクノビット8100は低毒性で、ほとんど無臭の可塑剤と水溶性樹脂との組み合わせからなる新しい樹脂です。 本樹脂は、診断病理学の領域において、2年間、試験を行いました。 あらゆる種類の医学用組織、植物組織の包埋はもとより、特にリンパ組織(リンパ節、胸腺、脾臓、扁桃)肝および腎の生検材料、ならびに非脱灰生検材料免疫組織化学的検査に適しております。
(テクノビット8100の取り扱い方法)
序説: 固定、脱水および浸漬中は、組織を連続的に振動させる必要があります。
固定: 固定時間は短い方が望ましい。 最高1mmまでの厚さの非脱灰骨髄生検材料の組織切片はPH7.4のリン酸緩衝液に溶解した2%パラホルムアルデヒド中で4℃にて3〜4時間浸漬して固定します。 その後、6.8%スクロースを含有するPH7.4のリン酸緩衝食塩液中で4℃にて一晩組織を洗浄します。
脱水: 100%アセトン中で4℃にて組織の脱水を1時間行います。 最初の5分間は溶液が透明に保たれるまでアセトンを新しく交換します。
浸漬: テクノビット8100を用いて4℃で6〜10時間浸漬させます。 A.浸漬液 テクノビット8100主液 100ml(HEMAジヒドロキシエチルメタクリレート及び可塑剤としてのヒドロキシエーテル)硬化剤T 0.6g ペルオキシドルシドールCH-50を混和して4℃にて冷却します。 B.包埋液 浸漬液A 30ml 硬化剤 U 1ml を4℃で混和します。 浸漬後、包埋液B中に組織を浸漬した後、4℃で5分間攪拌します。 充分に混和した包埋液Bを包埋フォーム(ヒストフォームS)に流し込み、標本をその中に入れます。 そして、その上にカバーフォイルを、各々の桝目の中の標本の上に載せて密封します。
重合: 重合中(少なくとも3時間)は、包埋フォームを4℃の冷蔵庫の中で砕いた氷の上に置いておきます。
ヒストブロックの固定: PEフォイルがはがす事が出来ますので、急速に硬化する固定樹脂テクノビット3040(粉末2〜3:液1)を、ヒストブロック内に流し込みヒストブロックを固定します。 重合時間は約10分。 尚、標本ブロックは、プラスチック容器にて−20℃で保存する事が出来ます。
切片の作成: ロータリー式ミクロトームの使用をお勧めします。 1〜2ミクロンの切片を蒸留水の中で伸展させ、スライドガラスの上に載せて、37℃で約2時間乾燥させます。 すぐに使用しない切片は室温で乾燥させた後、4℃で保存することが出来ます。 スライドガラスをアルシアンブルーまたはポリリジンでコーティングすることも可能です。
0.1%ポリリジン溶液(シグマ)
Kidney/glomerulus, 2 micron
Alkaline phosphataseHuman tonsil
Immunoperoxidase staining using a mono-
clonal directed against the CD3 complexHuman tonsil
immunoperoxidase staining using L26 mono-
clonal antibodyMuscle, 2 micron
Methylene blue/acid fuchsinOral epithelium (stratum comium)
Anti keratinHuman tonsil
Large magnification of a section stained for
CD30 positive cellsHuman tonsil
Immunoperoxidase staining using MB1 mono-
clonal antibodyHuman tonsil
immunofluorescence staining using an a
Lambda monoclonal antibodyProlifaration centre of the developing fair
Anti BrdUrDHuman tonsil
immunoperoxidase staining using a lgD
monoclonal antibodyHuman tonsil
immunoperoxidase staining using S100
monoclonal antibodyLiver, 2 micron
a-naphtylacetat esterase
(GMAで包埋した組織の免疫反応のための染色手順)
37℃で2時間乾燥させます。
酵素的前処理:0.1%塩化カルシウムとともに0.01%トリプシンPH7.8中で5〜10分間培養させます。 (37℃)
液を数回交換しながら、リン酸緩衝液(PBS)中で5分間洗浄します。
一次抗体を37℃で2時間培養します。
液を数回交換しながら、PBS中で5分間洗浄します。
0.06%過酸化水素リン酸緩衝液(PBS)溶液で室温にて30分間内因性ペルオキシダーゼを遮断します。
液を数回交換しながらPBS中で5分間洗浄します。
二次抗体を室温で30分間培養します。
液を数回交換しながら、PBS中で5分間洗浄します。
クリオスタット切片については、ジアミノペンジン(DAB)を用います。
水中で3分間青色染色します。
グリセリンゼラチンおよびカバーグラスをカバーします。
AP法、PAAP法、APAAP法、ABC法、アピジンービオチン法および蛍光抗体法に従って免疫組織化学的検査を行う事が出来ます。 洗浄緩衝液中に結合剤を使用しないのが望ましい。 緩衝液にはベルオキシダーゼを溶解して下さい。
1988年より取り組んできた本システムには、次のような特長があります。
すばらしい形態をとどめた医学組織および植物組織の準薄切切片を作成することが出来ます。
切片に酵素反応および免疫反応のための組織学的染色処理が行えます。
脱樹脂する必要がない。
骨生検材料の脱灰を行う必要がありません。
常に品質管理を行う事により、再現性および信頼性のある包埋が確実に行えます。
30:1の比率で0℃にて処理した場合の重合温度は、最高で10℃と低い。
気泡および変色に伴うことなく、透明なまま重合します。
可塑剤と硬化促進剤の新しい組み合わせにより作られているため、既に市販されている他のGMA樹脂と比較して毒性が低い。
●#03-1003 ヒストフォーム Sタイプ 砲弾型(10×16×6.5mmブロックサイズ)
重合硬化時の標本組織に対する熱影響を軽減し、又包埋および切削を容易にする標本ブロックが得られます。 ヒストフォームSは、特殊な形状を呈しており、新しいタイプの包埋モールドです。
特長
- 樹脂の量が節約できます。
- 切削し易い形状を呈しています。
- 半永久的な寿命。
- テフロン製なので包埋標本を簡単に取り外すことが出来ます。
- 底が精錬鋼で出来ているため、放熱性が優れており、熱影響を軽減します。
- 特殊な溝により包埋標本をヒストブロックに正確かつ簡単に固定できます。
- コストの低減により、非常に経済的です。
- #03-1003 定価 \100,000.-
重合温度を測定した結果、この容積においてテフロンと精錬鋼からなるヒストフォームの使用により、重合温度がかなり低下することが確認されました。
●#03-1004 ヒストフォーム Qタイプ 角型(20×16×10mmブロックサイズ)
ヒストフォームQは、ヒストフォームSと同様の特長を持ちますが、比較的大きな標本を包埋するために開発されました。 包埋樹脂の品質が一定であり、包埋モールドも特殊なテフロン製のため重合温度は再現性があります。
- テクノビット7100(ヒストフォームSにて包埋)使用時: 重合硬化温度 35°〜38℃
- テクノビット7100(ヒストフォームQにて包埋)使用時: 重合硬化温度 40°〜45℃
- テクのビット8100使用時: 重合硬化温度 11℃(冷蔵庫内)
- #03-1004 定価 \120,000.-
重合時の最高温度に対する環境温度との相関関係
ヒストフォームS
包埋樹脂 室温 +20℃ 冷蔵庫 +4℃ 冷蔵庫内の氷上 テクノビット8100 30:1 69 21 12 テクノビット8100 35:1 67 19 11 テクノビット8100 40:1 65 - - テクノビット7100 32 16 10 ヒストフォームQ
包埋樹脂 室温 +20℃ 冷蔵庫 +4℃ 冷蔵庫内の氷上 テクノビット8100 30:1 - 69 48 テクノビット8100 35:1 - 52 42 テクノビット8100 40:1 - 50 41 テクノビット7100 37 23 18 ● 包埋標本固定台ヒストブロック
良好な切片を得るため、重合硬化したテクノビット7100には弾力性を持たせてあります。 その為、切片作成の際は、固定台にしっかりと固定してミクロトームに装着する必要があります。 Kulzer社は使いやすく、経済的なディスポーザブルタイプの固定台ヒストブロックを開発しました。
特長
- 包埋標本を容易にかつ確実に固定できます。
- アダプター無しで全てのロータリー式ミクロトームのクランプにセットできます。
- 固定樹脂テクノビット3040により5〜10分で包埋標本を確実に低コストでヒストブロックに固定できます。
- 極めて薄い切片が薄切可能な状態で樹脂包埋できます。
- 長期保存が可能であり、また継ぎ合わせでき、包埋標本の整理が簡単で場所を取りません。
- マーキングが容易におこなえます。
- #03-1005 100個入り \17,000.-
● 固定樹脂テクノビット3040(黄色)
テクノビット3040は、メチルメタクリレートを主成分とする急速硬化樹脂で、包埋樹脂テクノビット7100とヒストブロックを確実にシッカリと固定します。 テクノビット3040は、粉末と液体で構成され、簡単に混合できます。 混合比、粉末2〜3:液1のとき最高の固定、接着性能を発揮し5〜10分で固定できます。
@ #03-1006 固定樹脂テクノビット3040 100g粉末+80ml液(コンビネーション) 1セット \15,000.-
A #03-1007 固定樹脂テクノビット3040セット( 1,000g粉末+500cc液) 1セット \38,000.-
■ ヒストブロックの使用方法
1。ヒストブロックをセットする 2。テクノビット3040を注ぐ 3.ブロックごと試料を取り出す
● ミクロトーム用ヒストナイフHおよびナイフホルダー
クルツァー社が開発したヒストナイフHは、テクノビット7100/8100のような包埋樹脂を薄切するためのディスポーザブルナイフです。 刃の角度は約45度、新金属により作られておりますので、軟らかな包埋樹脂や組織は勿論のこと、比較的硬い組織およびMMAのような硬い包埋樹脂も切削できます。
#03-1008 ヒストナイフ Hタイプ 30枚入(中止品) #03-1009 ヒストナイフ Hタイプ 100枚入(中止品)
#03-1010 ヒストナイフホルダー 17cm \175,000.-
#03-1011ヒストブレード 50枚 \54,000.-
高価なガラスナイフや研磨が面倒なスチールナイフにかわる画期的な新しいタイプのナイフです。 刃の寿命が長く、標本を低コストで効率的に処理できます。 特にテクノビット7100/8100の切削にはより良好な結果が得られます。 両側に締め穴がついているので受傷などの損傷を伴うことなくナイフをホルダーから外す事が出来、また容易におこなえます。 ヒストナイフは、保存中の錆びを防ぐため、オイルコーティングされております。
堅固な材質。
刃の寿命が長い。
切削性に優れています。 (薄切厚0.5ミクロンまで可能)
低コスト
既存のロータリー式ミクロトームに装着可能。
取り扱いが簡単。
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